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バレエプログラムブログ

遠い異国で

先日、読売テレビの「グッと!地球便」という番組で、ポーランドのバレエ団に所属する女性を取り上げていました。
たまたま立ち寄り先でついていたテレビで予告編を見て、見たいと思っていた番組です。
その女性、四柳育子さんは、ポーランドのウッジ大劇場に所属するバレリーナです。
バレエを始めたのは15歳。ロシアのバレエ団のバレエ公演を見て感動し、楽屋に行ってディレクターに交渉し、プロへの道を開いたといいます。ロシア、エジプトのバレエ団を経て、32歳の今はポーランドで一人暮らしをしています。
この番組は海外で活躍していている人に、日本にいる家族からメッセージや贈り物を届けるという主旨のようなのですが、彼女のバイタリティにとても引き付け られました。演出家に「身長が小さいから」と踊りも見ずにコールドに回されたときには、抗議し、目の前で踊って「花のワルツ」のソリストを勝ち取ります。
遠い異国で、決してなだらかでない道を行くのはいろいろなことがあるのでしょうが、好きであることの強さを教えられた気がしました。

2011年12月29日
加治屋百合子さんの特集を見ました

今更の話題ですが、9月にBSプレミアムで放映されたABTで日本人唯一のソリスト、加治屋百合子さんの特集をようやく見ました。
ブルーレイディスクの不具合で、録画をなかなか見ることができなかったのですが、楽しみにしていました。
加治屋さんは父親の転勤を契機に10歳で中国の上海舞踊学院へ。厳しい寮生活の中で頭角を現し、カナダ留学を経て2007年からABTのソリストを務めています。
「羽が生えたような」と形容されるジャンプをはじめ、パワフルでダイナミックな動きは、日本人バレリーナとしては珍しい部類に入ると評されます。
番組ではドンキホーテのキトリ役を演じた東京公演までをドキュメントしていましたが、明るくチャーミングなキトリにすっかり魅せられました。
紹介されていた素顔の彼女はたおやかな日本人女性でしたが、常に努力して前進していく姿には勇気をもらいました。
彼女を指導しているABTミストレスで元キーロフバレエ団のイリーナコルパコワがまたカッコいいのです。ドンキホーテで恋人のバジルを演じたダニールシムキンもチャーミングで、レッスン場での「必勝」鉢巻きがとてもお似合い。
余韻の残る番組でした。

2011年12月28日
クリスマスに「くるみ割り」

クリスマスにふさわしく、「くるみ割り人形」のDVDを見ました。
英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団。吉田都の主演です。
思いつくままに感想をー
クララに襲い掛かるはつかねずみっていつ見ても怖い。
クララが金平糖の精に変わるシーン。紅白歌合戦を思い浮かべるのは私だけでしょうかー。
吉田都は本当になんともいえないきらめきがあって、いつ見ても素敵。
舞台の上では明らかに日本人とわかる体型なのだけれども、独特の美しさから目が離せない。
クララを演じるサンドラ・マジックは可憐でとても素敵だけど、三幕で夢から覚めるシーンのUPは、お肌のきめまでばっちり映っていて、ちょっとつらい気が・・。
これが表現力というものなのだろうけれども、王子とクララが踊っていてもほかのラブストーリーのように男女の感じがしない。これが子供も一緒に楽しめる「くるみ割り」という気がする。
やっぱりこの季節に見る「くるみ割り人形」は特別にいい、という思いを深めました。

2011年12月25日
現代最高のダンスールノーブル

「眠れる森の美女」続きです。
ヌレエフ版の見どころは、男性ダンサーの登場機会を増やしたことだといわれています。
第二幕はその真骨頂。
マニュエル・ルグリによるデジレ王子のバリエーションに魅せられました。
全体的にパが詰まっていて、優雅で鮮やかです。
派手な動きでというよりは、細かなステップを音楽に遅れることなく軽やかに積み重ねていて、難易度の高さを感じました。
現代最高のダンスール・ノーブルと言われたルグリは、以前、NHKのバレエ番組に登場していました。来日公演も多く、日本にもファンが多い人です。
続く第三幕は歓喜と自信にあふれたバリエーション。鮮やかなマネージュに感嘆しました。
次の来日の機会は来年5月・兵庫でしょうか。
ルグリ率いるウイーン国立の「こうもり」が上演されます。

2011年12月16日
絢爛豪華な眠れる森の美女

パリ・オペラ座のヌレエフ版「眠れる森の美女」をDVDで見ました。
オーロラ姫はオレリー・デュポン、デジレ王子はマニュエル・ルグリ。ルグリはエトワールを23年務めて引退し、2010年シーズンからはウイーン国立歌劇場バレエ団の芸術監督となっています。
眠れる森の美女は、バレエスタジオなどの発表会で3幕を見かけることは多くありますが、上演時間が長く、通しでの公演となるとやはりプロに限られます。
多くのバレエ作品の中でも、悪と善との対立軸が際立っていますが、悪のカラボスもなぜか胸を突くような邪悪さはなく、全体的に華やかさと美しさの満ちた作品という印象があります。ルイ14世時代への賛歌という作品の性質上、そういうイメージがあるのかもしれません。
起伏に欠けるような気もしていましたが、主役だけでなく、郡舞のひとつひとつも見惚れるほどに美しく、絢爛豪華な舞台に魅せられました。

2011年12月15日
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