先日、日本のダンサーが日本ではなかなか食べていけず、海外に出るケースが多いことを書いていて、思い出したのがnoismのことです。
noismは日本初のレジデンシャルカンパニー。新潟市の市民芸術文化会館を拠点に活動しています。wikiで調べたら設立は2004年、カンパニーの諸経費や団員の給与は新潟市が拠出する財団法人の予算で賄われているということでした。
金森穣さん率いる団体で、以前は評判を聞いたときに、地方の文化的には厳しいと思える環境でどうなっていくのだろうと思っていました。
研修生カンパニーnoism2も設立され、ウェブサイトをチェックしたら最近では震災関連の特別公演も行っていました。
地元でユニークな企画をやっているようですし、3月末にはNHKのバレエの饗宴に出演するということで、独自の路線を切り開いているようです。東京発ではないゆえに、関係者の覚悟がユニークさを生んでいるかもしれないと思います。
菅井円加さんのローザンヌ優勝を契機に、バレエがメディアに登場する機会が一段と増えています。
NHKの朝のニュースでも、2日連続、関連の話題を取り上げていました。
昨日でしたか、NHKでは、ニュース番組の枠の中で、菅井さんをはじめとして日本人が今回大きく飛躍した背景について触れていました。
それによると、日本のバレエ人口は今約40万人だそうですね。
ビントレー監督までインタビューで登場していました。日本人はもともとバレエ向きであるということや、優秀な人材が多いということ、その反面海外流出が懸念されるーという内容だったと思います。
確かにバレリーナが食べていく、という報酬の意味においては、日本はなかなか難しいというところはあり、海外の劇場レジデンシャルカンパニーに所属するというのは既定値となっています。
昔と違って、日本でもバレエの観客が育ってきている今、職業バレリーナって本当に成り立たないのか・・などと考えつつ聞いたニュースでした。
ローザンヌ国際バレエコンクールで神奈川の高校生、菅井円加さんが優勝しました。
一昨日にネットニュースで第一報が流れ、興奮。
今朝は朝刊の社会面のトップで扱った一般紙もありました。
ネットで流れた帰国会見のニュースは、まぶしい笑顔が印象的でした。
複数の新聞が、APで配信された跳躍の写真を掲載していましたが、とてもダイナミックな印象。コンテンポラリーが得意、性格は負けず嫌い、高い身体能力、従来の日本人ダンサーのイメージを翻す、素晴らしい人が出てきたと思います。
ところで一次審査を通過した79人のうち、国籍別で日本人は最多の19人だったといいます。
産経新聞のネットニュースで、舞踏評論家の佐々木涼子・東京女子大教授は、「日本人のまじめな修練癖と、繊細な表現力が生かせる、実は日本人に合った芸術」と表現していました。
日本人ダンサーのさらなる躍進を予感させます。
深い雪に覆われているとーというわけではありませんが、なぜか「くるみ割り」を見たくなり、DVDをプレーヤーにセットしました。
脇役の中で、地味に好きなのが「ハレーキン」です。
クリスマスイブのパーティーのシーンで、ドロッセルマイヤーが取り出す箱から出てくる人形。ドロッセルマイヤーの魔術で人形が踊り出すシーンを見るのが好きです。
無機的な動きはいかにも人形なのですが、そこにはいのちがあるかのよう。ドロッセルマイヤーの魔術にかかって、いのちを与えられているかのような動きや独特のメーキングも楽しませてくれます。
箱にしまわれるときには、また生命感が失われていて、すごい表現力だなと思います。「コッペリア」もそうなのですが、バレエの舞台に出てくる人形の独特な存在感がとても楽しめます。