シュペルリ版の「シンデレラ」で、フレデリックが訪ねたボリショイバレエ団のシーンを見るうちに、「ドンキホーテ」が見たくなりました。
ボリショイで「ドンキホーテ」を踊っているという設定になっていたからです。
ロシア国立チャイコフスキー記念ペルミ・バレエのドンキホーテ。
キトリはニーナ・アナニアシヴィリ。
数あるバレエ作品の中でも、主役の女性のキャラクターとして大好きなのがキトリです。太陽の申し子のように明るくて、気立てがいい。
アナニアシヴィリのキトリは赤い衣装がよく似合って、情熱的でスペインの陽気を感じさせます。ダイナミックなジャンプは胸がすくよう。
そういえばアナニアシヴィリはグルジア国立バレエの「白鳥の湖」で6月に来日予定で、「白鳥」全幕を踊るのはこれで最後と言います。
「ロミオとジュリエット」や「白鳥の湖」など演技で見せる演目も素晴らしいですが、やはりこの人のキトリが一番好き、とあらためて思いました。
はっきり言うと、あまり好みではないシュペルリ版の「シンデレラ」なのですが、第2幕は好きです。
フレデリックがシンデレラを探して、トゥシューズをチェックしているシーンが、ちょっとおかしい。うず高いトゥシューズの上に腰かけているフレデリックが印象的です。
その後、フレデリックはボリショイ、オペラ座、英国ロイヤルバレエ団と大カンパニーをめぐり、シンデレラを探す旅に出るわけですが、異国情緒豊かなダンスシーンが続き、私はここが一番楽しめます。シュペルリ版の一番の特徴といってもいいところです。
ボリショイでは「ドンキホーテ」などと実際に踊っている演目も設定されていて、とても楽しめます。
男性演じる義姉、義母の存在感が終始ありすぎる感がありますが、ラスト、仙女や妖精に祝福を受けながら踊るフレデリック&シンデレラはやはり素敵です。
なぜかペローの本家の童話が読みたくなってしまいます。
チューリッヒバレエ団のハインツ・シュペルリ版「シンデレラ」のDVDを見ています。
シンデレラはプリマバレリーナという設定。
やはりバレリーナだった母の死後、失意の中でコールドバレエの一員となっていますが、バレエ教師だけは彼女の味方となってくれます。
スターダンサーがパートナーを探すための舞踏会が開かれ、シンデレラと巡り合います。そして12時になって・・・。
というストーリー。
いじわるな義母と義姉も登場しますが、これが男性。
コミカルな役回りですが、ちょっと存在感がありすぎのような気も。
シンデレラのインパクトまで奪ってしまわないコミカルさって難しいのだろうな、と思いました。
舞踏会のシーンではガラスの靴に見立てたトゥシューズでのポアントが強調されていました。見どころなのはわかりますが、カメラワークのせいでちょっと強調されすぎのような気もするシーンでした。
また次回、続きの感想を。