「ジュエルズ」をDVDで見ました。
バランシンのアブストラクト作品で、しばしば全幕で上演されています。
右脳全開で楽しめる、こうしたストーリーのない作品が好きです。
「ジュエルズ」を見ていると、バランシンの作品は、クラシックを尊重しつつも斬新で、かといって奇をてらわず、実に絶妙なポジションにあるように感じます。
「ジュエルズ」は3部作で、それぞれがフランス、アメリカ、ロシアのバレエへのオマージュ。
ロマンティックチュチュを身につけた女性ダンサーによる優美な「エメラルド」。
斬新でダイナミック、ユーモアに満ちた「ルビー」。衣装はまるでショーガールを思わせます。
そして「ダイヤモンド」。正当ロシア・クラシック・バレエの様式美で終幕です。
陳腐な言い方ですが、「みんな違ってみんないい」という言葉を思わず思い浮かべてしまう3部作。まさに宝石のようなバレリーナの輝きを感じます。
今さら感のある話題ですが、今年は6月にシュツットガルトバレエ団が4年ぶりに来日し、「じゃじゃ馬ならし」の公演が行われました。
クランコの最高傑作。
乱暴者のカタリーナと、彼女を従順な妻にならしていく貧しい紳士ペトルーキオ。
眠らせなかったり、食べさせなかったり・・。
彼女が反抗するのをやめたとき、夫は機知に富んだ存在だと気づくーー。
・・と、活字にしてみると、ミもフタもない感じがします。
シェークスピアの巧みなセリフがあったからこそ、成り立つ物語ではないかと思いきや、多彩なアクションで最後まで飽きさせません。
ペトルーキオとカタリーナのぶつかり合うようなパドドゥもダイナミックです。
とにかく楽しい舞台といえば、これではないかと思いました。