それで先に書いた「三人姉妹」の中身についてです。
モスクワを離れ、没落してゆく三姉妹を中心に、その恋や生き様を描いた作品です。
独身の長女、早くに結婚し、誠実な夫に退屈して不倫の恋に走る次女、二人から求婚されながらも自分探しをしている三女の三人姉妹。
長女が次女の夫に心を寄せるあたり、ロシアっぽい。。。と思ってしまいますが、ここはマクミランの創作です。
演劇的なシーンも多く、前半から中盤にかけては、ディナーパーティーのシーンが無音で折々に挿入されています。
全編を覆っている陰鬱な雰囲気は、マクミランの振付とダンサーたちの演技力が作っているものなのでしょう。
モスクワへさえ帰れば幸せになれる、と言わんばかりの三人姉妹の希望に、青い鳥を追い求めてしまう人間の性を見る思いがします。