先日より書いている「三人姉妹」の続き。
このキャストの中でもっとも印象的なのは次女の夫、クルイギンを演じたアンソニー・ダウエルでした。
この人は本当に内面表現に秀でた人で、「マルグリットとアルマン」のアルマンの父親役が印象的です。
英国ロイヤルバレエ団の芸術監督も務め、最近では3年ほど前に来日公演もあったのではないかと記憶しています。
男性ダンサーと言うと、パワフルで高さがある人も多いですが、一人でくっきりと浮き立つのではなく、舞台全体に調和してしまうような、それでいて圧倒的な存在感がある、そういう人に感じられます。
クルイギンは、神経質、まじめ、融通がきかない田舎教師。しかし実直で深く妻を愛している。そんなキャラクターと抱えている苦悩が浮かび上がるパフォーマンスです。