バレエの好みということで言えば、「マノン」や「椿姫」など、心理劇の要素が強いものが、何となく好きです。
それと対極にある、と私には映るのが、今日見ている「イワン雷帝」。
「ファラオの娘」に似た印象がありますが、主要キャラクターは少なく、群舞は多く、衣装も装置も壮大、といったところです。
モチーフとなっているのは、ロシア皇帝イヴァン四世。イヴァン四世の英名は「ivan the Terrible]」で、歴史に名を残す暴君と言われています。
残虐な方法で粛清を続けたイヴァンは反面、敬虔で宗教的な儀式を好んだということ。
孤独から神を求めていたのか、罪の意識から神を求めていたのか、この二面性はよく分かりません。
衣装の胸に刻まれている光る十字架に、雷帝の内面を考えさせられます。