「海賊」の中でキモになるのは、コンラッドの奴隷・アリの存在と言われます。
バレエコンサートでもメドーラとアリのパドドゥがよく披露されます。
コンラッドには主役としての華やぎがそれなりにあると思うのですが、
ファルーフ・ルジマートフの抑えた存在感、かすかに感じられる憂い、色気が、逆に引き立って感じられます。
アリはバイロンの原作には登場しないそうで、キャラクターは聴衆の受け取り方に
委ねられているとも捉えられます。
主人の恋人に叶わぬ思いを抱きながら、内にその思いを燃やしている。
そういう解釈でしょうか。