今年も12月に入り2015年も押し迫ってまいりました。
今年のニュースの一つにニューヨークのABTで
黒人女性のミスティ・コープランドさんのプリンシパル昇格があります。
このバレエ団員の在籍数は90人弱に対して、女性プリンシパルが9人、
男性プリンシパルが7人とほんの一握りしか選ばれません。
ミスティ・コープランドさんがバレエを習い始めたのは13歳で、遅咲きと言えるでしょう。
なぜここまで習うことができなかったのかというと、幼くして両親が離婚し、母親の手一つで育てられ、
モーテルを転々とする暮らしだったからです。
バレエを習うことができたのは、彼女がバスケットグラウンドでダンスをしていたのを
バレエ教師が見初めてスカウトしたのがきっかけでした。
その後ある団体の寄付金によってバレエを続けることができたのです。
そしてバレエ団に入団後、24歳のときにソリストを務め、
昨年は白鳥の湖も話題になりました。
記者会見では、「アフリカ系米国女性がこの地位を得られる日が来るのか分からず自信をなくし、
やめたくなったこともある」と胸の内を明かしました。
このように語るのも無理はありません。白人ダンサーが多数を占める古典バレエでは
このニュースによって人種差別の壁が壊されたという意味も含まれ、バレエ界に衝撃が走ったくらいなのです。
また、時事週刊誌タイムは世界に最も影響力のある100人として選出し、
この時事週刊誌の表紙のモデルとして紹介されました。