ゴールデンウイークの3、4日、松山バレエ団を率いる森下洋子が、37年ぶりに「白毛女」を演じます。
世界で最初にバレエ作品に仕上げ、1950年代から訪中公演を行うなど日中友好に力を注いできた同バレエ団の象徴的作品です。各メディアで森下洋子は、理 不尽な環境下で強く生き抜く主人公の喜児(シーアル)の生きざまを、東日本大震災の被災者への祈りに重ねて演じる決意を語っています。
1930年代の中国で、貧農の娘に生まれた喜児。美しく成長し、結婚が決まっていたにも関わらず、地主に連れ去られ、売り飛ばされそうに。かろうじて逃げ出した喜児は雪山に逃げ込み、苦難で髪を真っ白にしながらも生き抜くー
還暦を超えてなお踊り続ける森下洋子が、松山バレエ団に入団した契機となった作品でもあります。
魂をゆさぶる喜児の生きざまをバレエの世界で表現したこの作品は、人間の強さ、美しさを感じさせます。この世界にあふれる美の中でも、もっとも尊い美しさ。欧州中心のバレエ文化の幅を広げた一作が、清水哲太郎の演出でさらに新しく、ドラマチックに展開します。