フィールドバレエのことを知るまでは、バレエとは都市の産物であり、大がかりな舞台装置を備えた都会のホールでしかありえないと思い込んでいました。
毎年夏に東京のバレエ団、シャンブルウエストが八ヶ岳山麓で行っている清里フィールドバレエ。大自然の中の特設会場で行われるロングラン公演は、日本で類をみず、清里高原の風物詩となっています。
森の木立を背景に、幕が開くのは夜8時。
今年も「コッペリア」など3プログラムが予定されています。
このステージで見るならとりわけ「ジゼル」という声も多いようです。
幸福な結婚を前に不幸にして亡くなる体の弱いジゼル。
彼女は妖精となって墓を抜け出して姿を現し、夜の森の中で踊ります。
自然の中での公演なので、天候で中止になることもあれば、雨のあとの星空が顔を出すことも。そんな、大自然が舞台装置となる公演です。
そのシャンブルウエストは、13日から東北地方の被災地を回り、出張公演を始めました。
巨大自動音声オルガンを積み、各地でミニ公演を繰り広げるとのこと。
美と芸術が、被災地の方々の心を束の間、癒すことを願ってやみません。