「ジゼル」の中で、よく解釈が分かれると言われるのが、アルブレヒトの心中です。
アルブレヒトはジゼルを本気で愛していたのか、それとも領民のひとりでしかないジゼルは戯れの恋の相手に過ぎなかったのか。
本気の恋ではなかったというのが今では一般的な解釈と言われますが、ヨゼフ・ヴォルガのアルブレヒトは、上品で紳士的。
プレーボーイという印象ではありません。
ただジゼルが息絶えた後には、アルブレヒトの本気の悲しみを感じますが、罪をなすりつけ合うシーンあたりには、ちょっと卑小さを感じてしまいます。
本気の愛ではあったけれども、叶わなかったからこそある意味安心して表現される愛のようにも感じるのは、穿ちすぎでしょうか。