日本文化と○○文化のコラボというと軽すぎることがよくありますが、そう思いながら注目しているのが、新国立劇場で今月末から行われる「パゴダの王子」です。
今ひとつ物語性にピンとこないものがあり、実際、クランコ、マクミランのいずれも大成功とはいえなかったこの作品が、ビントレーの手によって生まれ変わります。
そのキーワードとなるのが、歌川国芳。
今年は国芳の没後150年だそうで、記念展に寄せたビントレーのインタビューを読みました。
ビントレーの「クレージーでグロテスク」という言葉に、なるほど、国芳の絵を海外の人が見るとこういう感想になるのだなと妙に感心しました。
「物の怪」の世界は、なぜか違和感なく受け入れられますが、すべての生き物を擬人化して考えるのが、やはり日本文化というものかもしれません。
国芳は、天保の改革の質素倹約の大号令の下、政治に対する皮肉をこめて絵を描いたといいます。
その絵がどんな形で、バレエの世界と結びつくのかーこの作品についてはまた次回、続きを書きます。