年明けの休日に、「ロミオとジュリエット」のDVDを見ました。
1984年、英国・ロイヤルバレエ団です。
あらためて、せりふなく、この難解な物語を表現しているバレエという芸術に感嘆します。そしてせりふがないがゆえに、たとえば演劇や小説ほどの救いのなさがなく、あくまで美しく感じられるーという気がします。
情熱的な男女の機微も、血で血を洗う両家の争いも、思わず息をのむような迫力がありながら、リアルとはやはり違うーその絶妙さがバレエなのかもしれません。
一方で古典のバレエにはない演劇性が、この作品の特徴のひとつです。
女性たちの靴も、トゥシューズではありません。
古典のバレエはシーンにかかわらず、舞台をかろやかに駆け抜けていくようなイメージを私は持っているのですが、この作品の登場人物は舞台上で住んでいるかのようなある種の重々しさを感じます。