ロミオとジュリエットはたった5日間の物語であるわけですが、何度か見ていても時々そのことを忘れてしまいます。
この5日間はジュリエットが女性として大きく変化する5日間であり、人生には遠浅の海のように、大きく人間が変わる時があるーというだれかの言葉を思い出します。
14歳であるという設定は常に頭の中にありますが、それでも違和感のないフェリのすごさ。
最初の部分では乳母のひざに軽やかに飛び乗ったり、お人形で遊んでいたり、それがまた自然な少女ぶりですが、舞踏会での恋のときめき、バルコニーでの官能的な情熱のパドドゥと、大きく変遷していきます。
しなやかに曲がるフェリの体はさながら美しい鳥で、本当に見応えのあるロミオとジュリエットでした。