文化は横に見ると面白いというのが持論ですが、この「若者と死」の誕生した背景を考えてみても、やはり同じことを思います。
ここで言う横とは、ジャンルごとに考える「縦」に対して、同時代の文化を、その人や作品のつながりで見ていくことです。
「若者と死」の着想は、詩人で劇作家でもあるジャンコクトーによってもたらされたと言われます。
コクトーはココ・シャネルや、モディリアーニなどと交流があり、ピカソやサティとともに手がけたバレエ作品も残しました。
コクトーは来日した際、歌舞伎や相撲にも関心を持ったと言われます。
人よりも先に情報が行き来できる現代よりも、強烈な才能を持つ人と人、人を介した文化と文化が出合うことにより感動や衝撃があったのかもしれない、などと想像しています。