真夏の夜の夢では、オーベロンのたくらみ(というほど悪質ではありませんが)によって、王妃タイタニーアが頭がロバとなってしまった職人ボトムに恋をします。
このロバが、この物語の中で非常にいい仕事をしています。
男性ダンサーがトゥシューズをはいて、頭にロバをつけて踊る姿が、妙にかろやかに動物っぽさを表現しているよう。目がまたやたらかわいくって、ユーモラスです。
それにしても王妃タイタニーアはさすが、女優フェリ。
最初の夫婦喧嘩のシーンでは、ちょっと高慢な感じをさせ、浮気草を垂らされて目覚めるシーンもなんとも妖艶。ロバに恋をしてのぼせ上がる様子が、いたたまれないほどです。
ラストは、タイタニーアがオーベロンに従順になってめでたし、めでたし。
このパドドゥで別人のように、オーベロンを信頼しきっている様子が表現されています。オーベロンを演じるフレデリック・アシュトンのステップもさすがでした。