DVDでABTの「真夏の夜の夢」を見ました。
ロマンティックな森の中で繰り広げられる一夜の物語です。
妖精の王、王妃、駆け落ちした男女と彼らを追いかける人間の4人、それに目覚めて最初に見たものに恋をしてしまう「浮気草」という小道具が効いています。
「ジゼル」もそうですが、妖精たちが登場する作品は、とても好きです。人間の足でありながら、重みを感じさせない軽やかな動きはまさにバレリーナの真骨頂という気がするからです。
同じ妖精でも、王の腹心であり、浮気草を取りに行かされるパックは、動きがダイナミックで、ちょっとハラハラしかねない衣裳ですが、エルマン・コルネホが野性味にそそっかしさも交えたいい味のキャラクターを演じています。終盤近くのジュテもとっても美しい。
ところで、物語の冒頭、この二人の夫婦喧嘩は、「とりかえ子」をめぐって始まります。このインドの「とりかえ子」は、タイタニーアがとても大事にしているのですが、王オーベロンはこの子をどうしたいのか、嫉妬?なのか、何なのか、今ひとつ今もってピンと来ていません。