12月の新国立は15-24日まで「シンデレラ」です。
この欄でも触れたように、少し前からチューリッヒバレエ団のシュペルリ版を何度かDVDで見ていたので、ペローの原作により近いアシュトン版にはちょっとした安心感があります。
シンデレラがみすぼらしい老婆に親切にしたことによって、実は仙女であって老婆がお礼に魔法をかけてくれるーというある種の「必然性」も腑に落ちる要因かもしれません。
ホームページにあるPR用の動画を見ましたが、シンデレラというのは、小柄で清楚な日本人のイメージに合うキャラクターのように思います。
貧しい召使いのような衣服に身を包んでいても、何か輝くものを秘めている様子が、思い描くシンデレラ像に一致します。
ガラスの馬車や舞踏会は、雪と氷のイメージと重なり、クリスマスシーズンにぴったりの作品だというのも頷けます。
ところでアシュトン版は初演から義理の姉を男性ダンサーが演じていたと言います。男性が思いきりコミカルに演じる方が、陰湿になりすぎなくてよいように思います。そういえばビントレー監督も、かつては義姉を演じたのでした。