ラ・フィユ・マル・ガルデ(リーズの結婚)
第一幕
舞台はのどかなフランスの農村。
鶏が朝を告げ、村娘のリーズはさわやかに目覚める。
リーズは貧しいが誠実な青年、コーラスと恋仲。
ピンクのリボンを納屋にひっかけるのが二人の逢い引きの合図だ。
しかし女手一つでリーズを育てた母のシモーヌは金持ちとの結婚を望み、二人の仲を監視している。
今日はシモーヌは娘の縁談をまとめたいと思っている。
相手は金持ちのトーマスの息子のアラン。
トーマスは贈り物をたくさん届け、リーズをアランの嫁に、と結婚を申し込む。
トーマスとアラン、シモーヌとリーズは収穫まっただ中の畑へ出かけて行く。
コーラスもまた、二人の結婚を阻止するために後を追ってやってくる。
リーズとコーラスは、コーラスに同情した農夫たちの助けを借りて逃れ、愛を語る。
一方シモーヌは農夫らにおだてられて「木靴の踊り」を披露する。
やがて、どしゃ降りとなり、お気に入りの傘を開いたアランは強風に飛ばされていく。
第二幕
シモーヌとリーズは家に帰り着く。
シモーヌとトーマスは実はすでにリーズとアランの結婚の話を決め、すぐにも手続きをすませる手はずとなっていた。
シモーヌはリーズが逃げられないように鍵をポケットにしまい、約束の時間を待った。
シモーヌが眠ったすきに鍵を奪おうとするリーズだが、うまくいかない。
そこへ農夫たちが収穫した麦を持って賃金の支払いを求めに来た。
リーズに協力しようとする農夫ら。シモーヌはそれを見破り、扉に鍵をかけて外出する。
涙するリーズ。コーラスとの未来を想像していると、そこにコーラスその人が現れる。
アランとの結婚を心配して麦の束に隠れ、会いに来てくれたのだ。
そこへシモーヌが帰り、リーズは自分の部屋にコーラスをかくまう。
トーマスが訪れ、証書に署名し、アランとリーズの結婚が成立してしまう。
しかし、抱き合うリーズとコーラスをトーマスとアランが見つけ、大騒ぎとなる。
公証人に諭され、シモーヌはリーズとコーラスの結婚をようやく認める。
かくしてリーズとコーラスは幸せに。
アランは失くしたと思っていたお気に入りの傘を見つけ、ご機嫌で外に出て行く。
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