ジゼル
第一幕
舞台は中世のドイツのとある村。
生まれつき体が弱いものの、明るく快活な娘ジゼルは母親と二人暮らし。
そのジゼルのもとに、伯爵のアルブレヒトが、身分を隠して通って来ていた。
二人は互いに夢中だが、ジゼルを愛している森番のヒラリオンは快く思わず、アルブレヒトの正体に疑念を抱いている。
あるとき、狩りに出た公爵一行がこの村に立ち寄る。その中でひときわ目を引く若い貴婦人は、実はアルブレヒトの婚約者バチルドだった。アルブレヒトがジゼルに会いにくる際に、剣やマントを隠している場所を見つけたヒラリオンは、嫉妬にかられて彼の身分を暴露する。アルブレヒトとバチルドの関係も明らかになり、ジゼルはショックのため、命を落としてしまう。
第二幕
ジゼルの墓がある夜の森。結婚を前に死んでしまった娘は妖精ウィリとなって夜な夜な姿を現し、通りかかった男を誘って死ぬまで踊らせると言われている。ジゼルもウィリの仲間に迎えられた。
女王ミルタに率いられたウィリたちは、墓参りに来たヒラリオンを殺し、次にアルブレヒトを手にかけようとする。しかしウィリの一員となったジゼルが懸命にアルブレヒトを守り、朝の鐘が鳴り響く中、ミルタたちは地下に戻っていく。
永遠の別れを告げて消え去ったジゼルの墓の前に、アルブレヒトが一人残される。
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