バレエ演目のあらすじ集


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おやゆび姫(ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作)

むかし、赤ちゃんがなかなか授からなくて悩む女の人が、悩むあまりに魔法使いのところへ行き相談し、銀貨12枚と引き換えに一粒の大麦を受け取りました。

女の人が家に帰り早速大麦を植木鉢に植えると、すぐに土の中から芽が出てきました。
芽はどんどん伸びてチューリップのような大きな赤いつぼみをつけました。
きらきら光る花びらが咲くと、中にはとても小さな女の子が座っていました。

女の子はおやゆび半分の大きさしかなかったので、『おやゆび姫』と呼ばれることになりました。
おやゆび姫は花びらを敷いたくるみの殻のゆりかごで眠り、お皿に張ったお水の上で、チューリップの花びらのボートを漕いで遊びました。

ある夜、大きなヒキガエルが眠っているおやゆび姫をくるみの殻ごと連れ去ってしまいました。沼に住む息子ガエルのお嫁さんにしようと思ったのです。沼につくと、ヒキガエルたちはハスの葉っぱの上におやゆび姫を乗せて逃げられないようにしてしまいました。
目を覚ましたおやゆび姫は驚き、泣き始めました。一部始終を見ていたメダカたちはかわいそうに思い、はすの茎をかじって噛み切りました。ハスの葉はどんどんと流され、いくつもの場所を通り過ぎ、隣の国へ流れて行きました。

途中、現れたモンシロチョウにハスの葉を引っ張ってもらい、どんどん進んでいくと、一匹のコガネムシがおやゆび姫をつかんで木の上へ連れ去ってしまいました。コガネムシはおやゆび姫に花のみつを取ってきて世話をしていましたが、仲間たちから醜いと責められ、おやゆび姫をヒナギクの花の上に置き去りにしてしまいました。

おやゆび姫は広い森の中で夏と秋をひとりぼっちで過ごし、とうとう冬がやってきました。
寒くてどうしようもなくなった頃、麦畑のそばで野ネズミの家を見つけました。
穴から顔を出したおばあさんネズミに、「一粒でいいので麦をください」とお願いすると、かわいそうに思ったおばあさんネズミはおやゆび姫にご飯をあげ、よかったら冬が終わるまで家にいなさいと言いました。おやゆび姫は、おばあさんネズミに旅のお話を聞かせ、お掃除を手伝いながら楽しく暮らしました。

ある日、おばあさんネズミはおやゆび姫の結婚相手にと、近所に住むモグラを連れてきました。モグラはつやつやのコートを着てとてもお金持ちでしたが、おやゆび姫は好きになれず悲しみます。
モグラの家へ行く通路を通るとき、凍えて動けなくなったツバメが倒れていました。モグラと野ネズミはばかにして放っておきなさいと言いますが、おやゆび姫はかわいそうに思い冬の間お水と毛布を届けて世話をしました。
春が来るとツバメは元気になり、一緒に緑の森へ行こうと言いますが、おやゆび姫はおばあさんネズミが悲しむと断ります。
結婚式の準備が進む中、夏がすぎ、結婚式の日がやってきました。おやゆび姫が最後におひさまを浴びようと外に出ると、なんとあのツバメがまた戻ってきていて、もう一度緑の森へ行こうと言いました。おやゆび姫はツバメの背に乗り、一緒に行く決心をしました。
ツバメは森や海を越え、大きな山々もこえて飛んでいき、暖かな緑の森に辿り着きました。
ツバメは大きな白い立派な花を探し、その上におやゆび姫を乗せました。

すると、その花の上には花の王子様がいたのです。
王子様は一目見ておやゆび姫を好きになり、お妃様になってほしいと頼みました。
おやゆび姫が「はい」と言うと、周りの花が次々に咲き、中から妖精たちが出てきて二人を祝福します。
ツバメはそれを見届けると、南の国へ飛び去るのでした。



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