バレエ演目のあらすじ集


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エスメラルダ

第一幕
舞台は15世紀のパリ。
日没後のノートルダム寺院前の広場では盗賊達が騒ぎ、踊っている。
広場へ迷い込んだ詩人グリンゴワールが盗賊達に処刑されそうになっているところへ、ジプシーの踊り子達がやってきて踊りを披露する。
エスメラルダはグリンゴワールと結婚の約束をすることによって盗賊達から助け出す。
それを見ていたノートルダム寺院の司祭フロロは美しいエスメラルダに一目惚れし、背中の曲がった醜い鐘つき男カジモドを使ってエスメラルダを誘拐しようとする。
しかし騒ぎを聞きつけた衛兵によってカジモドは捕らえられる。エスメラルダは衛兵の隊長フェビュスに恋心を抱く。 フェビュスも美しいエスメラルダに惹かれ、スカーフを手渡す。
カジモドはエスメラルダの頼みで釈放され、カジモドはエスメラルダの優しさに触れ恋をする。

帰宅したエスメラルダはフェビュスの名を壁に刻み、スカーフをまとって寝床に付く。そこへカジモドとフロロが現れる。フロロは強引に愛を請うがエスメラルダは短剣をふりかざして退けようとする。カジモドが短剣をはたき落としてフロロを助けるが、エスメラルダはその隙に部屋から逃げ出す。
フロロは壁に刻まれたフェビュスの名を見て、嫉妬に駆られエスメラルダの落とした短剣を持って部屋を出る。

第二幕
宮殿ではフェビュスとその婚約者フルール・ド・リスの婚約の宴が開かれている。余興に呼ばれたジプシーの踊り子たちとエスメラルダが踊りを披露する。
途中、エスメラルダはフルール・ド・リスの婚約者がフェビュスだと知り驚き悲しむ。
フルール・ド・リスはエスメラルダとフェビュスの恋に気付く。逃げ出すエスメラルダ。フルール・ド・リスは怒りで婚約指輪を投げ捨てる。フェビュスはそれを見てエスメラルダを追って出ていく。

第三幕
帰宅したエスメラルダをフェビュスが尋ねてくる。
二人は愛を誓うが、先回りして潜んでいたフロロにフェビュスが刺されてしまう。
フロロは、床に落ちたエスメラルダの短剣を拾い上げ、エスメラルダの短剣で刺されたのだから犯人にされてしまうだろう。私のものになれば短剣は隠してやると持ちかけるが、エスメラルダは拒む。


第四幕
捕らえられたエスメラルダの処刑の場。フェビュスのスカーフをまとい絶望の表情のエスメラルダと嘆き悲しむ仲間たち。エスメラルダが最後の祈りを捧げていると、フェビュスが登場し、真犯人はフロロだと告げる。
逆上したフロロは二人に襲いかかるが、カジモドがフロロを止め、刺し殺す。カジモドはエスメラルダから感謝と共に貰ったタンバリンを胸に立ち去る。
エスメラルダとフェビュスは喜びの中踊る。
(1075文字)


ひとくちメモ
エスメラルダはヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」が原作です。「ノートルダム・ド・パリ」という、内容がほぼ同じバレエ演目もあります。
この原作は、最後にエスメラルダが処刑されてしまう悲劇として、多くの映画やミュージカルなどの原作になっている小説です。
舞台は魔女狩りやジプシー狩りが横行する、荒廃したパリ。迫害する側・される側という立場に加え、それぞれの恋愛感情がからみあう物語です。
ディズニーのアニメーション映画「ノートルダムの鐘」の元になったお話としても知られています。

タンバリンを持って踊る有名なエスメラルダのVa.は、1982年にスティーブンソンによって振り付けされたもので、古典の全幕ものには登場しません。
主にガラコンサートなどで上演されるものです。
色々な曲を寄せ集めて作られた「海賊」の中に組み込まれることもあります。